別の論文で報告済みの実験と、羽ばたき運動のビデオを基にコウモリのホバリング・モデルを準定常空気力学 (quasi-steady-state aerodynamics) によって構築し、揚力係数・抗力係数を概算した。その結果、準定常理論では不都合があり、非定常理論 (non-steady-state aerodynamics) が必要だと判った。
感想:
この論文はA先輩に教えてもらった。コウモリの論文を読むのは去年 Science の表紙を飾ったHedenstom らの DPIV による可視化以外では初めてだった。76年という時点がどういう時期だったのかが伺えた。72年に例の Weis-Fogh のがあって、その直後、ということ。
- 諸元から推定して、Re = 104 のオーダと思われる。
- freqency = 11 Hz と意外に高い。小型の種なのかもしれない。
- kinematics (positional angle) は sinusoidal としている。アヤシイ。
- induced velocity distribution は、stroke plane 全体に渡り「時間的にも・空間的にも」均一に分布すると仮定している。特に時間的に均一というのは無理がありそう。これをちゃんと考慮したものが wake capture という概念なんだろう。
- 予想できたことだが、翼内部に手の骨が入っていること (active deformation) と、翼自体が膜翼であること (passive deformation) とによって、1周期での翼の変形が大きい。折りたたみ・ねじり・各スパン位置での airfoil の変形など。
Vocabulary:
- prevail 適合する、という雰囲気
- abscissa 横軸。縦軸は ordinate
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