2012-08-09

『ダイナミックフィギュア』で許せなかった点(ネタバレあり)

ダイナミックフィギュアというSF小説を読んだ。以下ネタバレあり。

終盤、クラマの鉄壁の防御を破る方法はたしかに「ポカーン」ではあった。けどまぁ、そもそも終盤が全体的に、「締切りギリギリまで結果が出なくてやっと出た結果も怪しいけどもう載せるしかないわと学会発表の予稿をでっち上げた工学研究科修士2年生」の風情をそこはかとなく漂わせていたので、なんというかその、責められない。

許せなかったのは、戦場や各地に落ちたSTPFの欠片を、世界でたった一人しか確認されていなかった(はずの)貴重な孤介型である佐々にいちいち拾わせにいっている、というところ。初回だけ応急的にというならまだわかるが、そうではなく、毎回やらせている。……お前らは巨大人型ロボットしか遠隔操縦できないのかと。小型ロボット使えよと。

細かいように見えるかもしれないけど、あの世界的に誰も思いつかないなんてことはありえないので、取りこぼされると、リアリティが一気に崩壊したように感じた。なんていうか、どこか一箇所でご都合主義やるのはいいけど、それ以外はきっちり仕上げてるからこそ楽しめるんじゃないか、みたいな。全体的には面白かったのでいいんだけど。

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